愛と慈悲について
スマナサーラ著 「最良の選択」 より
慈悲とは
愛という感情を超える大きな理性
愛は何かと問題を起こす。
愛しているなら助けて。
愛していないなんて許せない。
愛があるなら…はず。
もう愛していないの?
こんなに愛しているのに…etc.
恋は盲目ならぬ、愛は執着。
親、子供、伴侶に対しても過大な情は、時に重荷になり、バランスを崩せば災いにもなり得る。
そこでブッダの示したのは、愛を超える理性、慈悲なのだそうだ。
心にしっくりきた。というより慈悲という概念がやっと分かったという感じだ。
これまで愛も慈悲も同じだと思っていた。
愛は感情によるもの、慈悲は理性によるもの。分かりやすい。
感情は概ねフラフラしていて、時と場合によってその質は変化する。
理性は一見冷たいもののように思われるが、いつでも正しさを基準とする理(ことわり)。
予想外の展開になったとしても、理性でもって考える癖があれば、動じることも少なくなる。だって起こった良からぬ事に対して、怒りや失望を感じたところで、事が良い方向に転じるわけでもなく、只々自分が苦しみをより感じるだけなのだから。
私個人としては、理性的でかつユーモアのある慈悲深い人になりたい。
昔からより良い人になるのが人生の目的であったが、漠然としていたイメージが少し明瞭になった。