satorimo

satorikの備忘録

【ポアンカレ予想 NHKスペシャル】読了

この本の正式な名称は

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか

天才数学者の光と陰

 

2006年に正規の難問ポアンカレ予想を証明したペレリマン博士を追ったNHKスペシャルの書き起こし本。

 

私は本当に数学が苦手で、勿論ポアンカレ予想自体の重要性も実はよくわからない。

理解できたのは、博士の人格がまるで変わってしまうほど、この問題には魔物のような物が住み着いているということ。いや、数学のこのような難問は、全てその存在自体が魔物なのかもしれない。

 

子供時代より博士は天才的な数学能力を発揮していたが、それでも他の子供達と変わらず、楽しく陽気な子供だったそうだ。それが留学先のアメリカで人が変わってしまった。そしておそらくポアンカレ予想と一対一で向き合うため母国ロシアへ、引き止める声も虚しく、帰ったのだった。

 

世界が注目していたポアンカレ予想の証明後、巨額の賞金を蹴って名誉を辞退するなどと、誰が想像できただろうか。本当の理由は誰にもわからない。しかし、その不思議な行動から、彼の孤独さが伝わるし、そして彼はまた何かをやってくれるのではないかという変な期待もある。

 

私は高校卒業以来、数学とはほとんど無縁な生活をしてきた。もう数学をしなくていいと思うと、解放された気分になったものだ。

しかし、小学生低学年の時点で数学を苦手だと思い込んでしまったことは、実は人生最大の過ちではなかったか、と思ってぞっとしたりもする。

仕事をしていると、やはり数学的な考え方は必要だし、そのものが必要なこともある。

それ以上に、数学はとても美しい宇宙かもしれないし、その風景を感じることができない事はもったいない上に実はとても残念なことなのではないかと感じ始めている。

 

なにかを始めるのに遅すぎる事はない、とは思うが、数学は私にとってはかなりの強敵である。さっそく図書館で「本当はすごい小学算数」という本を借りてきたが、まあとっつきにくい。