ビューティフルマインド −統合失調症と数学と愛−
数学的には非常に優れていたが、重い統合失調症に侵されていた彼には幻覚が見え、それ故に他人との交流も上手くいかない。
しかしその有能さとまっすぐな人間性により、ひとりの女に深く愛される。辛い闘病を支える彼女がいたからこそ、彼はその後の研究を続けることができたのだろうと思う。ノーベル賞受賞時の言葉がそれを物語る。
幻覚はリアルで、彼にとってはこれが現実だった。彼に見える現実が実は虚像だと知った時の衝撃は想像に難くない。
それでも彼が一歩一歩踏み出そうとしている姿は心打たれる。幻覚と戦い、そして幻覚を受け入れた。彼の幻覚は結局消えなかったという。
この映画は映画賞を数多く受賞している。話の内容はもちろんのこと、視覚的にも素晴らしく、飽きない映画だった。無論、これが実話だから余計にそう思わせるのかもしれないが。
因みに少し前、このご夫婦が交通事故で亡くなった。予定のなかったタクシーに乗った後の惨事らしい。